
Our Development Journey
開発の歩み
2019 年に始動した「ドリンクロボット大作戦」。
当社は、幾つものフェーズを経てドリンク提供装置の改良を重ね、進化を続けてきました。
ここでは、その歩みの一端をご紹介します。

●..2019-2021..●
アーム式ロボット DR1

ドリンクロボット開発の初期フェーズ
DR1 開発
2019 年、飲食業界における深刻な人手不足を背景に、当社はロボティクスを活用した業務効率化の可能性に着目しました。特に、作業者によって品質や提供スピードにばらつきが生じやすい「ドリンク作成工程」に課題を見出し、自動化に向けたプロジェクトを始動。初期開発機には、柔軟性と導入スピードに優れたアーム式ロボットを採用した「DR1」を開発しました。
DR1の小規模店舗への導入検証を通じて、省人化への寄与やオペレーション負荷の軽減といった効果を定量的に評価しました。導入の結果、アーム式ならではの物理操作性から複数のグラスを使い分ける柔軟な運用が可能となり、その優位性を確認しました。一方で、導入コストの高さや可動域の確保、一度に対応可能なドリンク数の制限、処理速度の課題も明らかとなり、次期モデル開発に向けた重要な改善指針となりました。

●..2022-2024..●
原理モデル

アーム式ドリンクロボットによる実証実験で明らかになった課題を受け、当社は量産化を見据えた要素技術の開発に着手しました。特に重要な機能については原理モデルを構築し、動作検証を重ねることで、安定性や安全性を確保しながら、コストダウンや小型化といった課題の解決にも取り組みました。
こうした技術開発と検証を通じて、価格・安定性・安全性・小型化のすべてにおいて、当初掲げていた目標水準を達成しています。さらに、競合優位性の確保を目的に、特許取得を視野に入れた重要技術は原理モデルでの検証にとどめつつ、並行してデモ機「DR2」の設計・開発を進めました。

ドリンクロボット開発の中期フェーズ
DR2 開発
原理モデルの検証と並行して開発を進めていた搬送式ドリンクロボット「DR2」が完成しました。この装置は、実店舗で求められる性能(対応するドリンクの種類や使用するグラスの種類・ストック数、提供スピードなど)を満たしているかを検証することを目的としており、さらに市場ニーズを把握するためのデモンストレーション機としても機能しています。
検証は、カラオケ店舗での運用を通じて実施され、実際の環境で稼働させることでいくつかの課題が明らかになりました。例えば、特定のデバイスに高負荷がかかると冷却性能が不足し、ビールの炭酸強度に影響を与えることが確認されました。このため、冷却機能の強化が必要であることが分かりました。また、ドリンク作成スピードにも改善の余地があることが確認されました。さらに、アクチュエータやフロージェットポンプといった構成部品のコストが装置単価の上昇要因であり、一部構成においては保守・交換作業の負荷が高いことが確認されました。
ただし、これらの課題は、並行して開発していた技術によって十分に解決できると判断しました。この検証結果を踏まえ、量産化に向けた最終開発フェーズへと進みます。

●..2025-..●
搬送式ロボット DR3

ドリンクロボット開発の最終フェーズ
DR3 開発
原理モデルおよび「DR2」で得られた知見を統合し、現在、最終形態となる「DR3」の開発を進めています。2025 年 5 月時点においては、量産化を見据えた最終フェーズに移行しており、実用化に向けて、設計面を含む調整と検証を進めております。